こんにちは!灯油ストーブが不完全燃焼をおこして部屋中すすまみれになりました、増沢です。
子ども達には「まっくろくろすけがやった」と教えてます。
さておき。オカルトとかホラー系の話が好きな人って「田舎の山村」と聞くと、ついつい「地元民しか知らない怖い話」を期待しちゃうところがありますよね。
妖怪とか、祟りとか。
モノノケとか、神隠しとか。
僕がその一人です。
ただ残念ながら、まだヨソ者感が強いからか、本当にないのかわかりませんが、移住者の僕にその類の話をしてくれる人はまだ現れません。
さみしい!!
いや違う、
怖いかどうかはきっと見方次第。
という訳で、怖い話が無いことになっている松野町をめいっぱい怖く楽しむツアーを考えました。
僕がこの町へ来た2020年夏、松野町には約4000人の人々が暮らしていました。
ところがその一年後、、
人口は3600人となってました。
恐ろしいことです。
このままのペースで計算したら9年後には町は消滅してしまう。
一体何が起きてるのでしょう。
恐いもの見たさが止まらないホラージャンキーな参加者の為に、僕はツアー前日に川へ入ります。
◆前日準備
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町内を流れる川のうなぎがよく捕れるスポットに、
うなぎ専用罠(正式名:「うなぎの地獄」)を複数設置。
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そして迎えるツアー初日。
恐れなんて何も感じさせないような穏やかな清流へ、参加者を連れ出します。
◆プログラムNo,1『地獄開門の儀』
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時間:8:00~9:00
場所:町内のうなぎ漁スポット
〔内容〕
清流で川魚漁の体験!!
一度入ったら二度と出られないウナギ専用罠はまさに地獄☆
その「うなぎの地獄」を参加者自身の手で開けてみよう!
運よく入ってたらそのまま町内の老舗うなぎ料亭「末廣亭」へお持ち込み。お昼ご飯までに仕込んでもらいます。
絶滅危惧種の天然うなぎが「入ってなかったら食べられないかも」という恐れ、
捕れたら捕れたで「いつまで食べられるんだろう」という絶滅の恐れを噛みしめながら頂きます!
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すっかり足も冷えて心なしか夏の日差しも生ぬるくなったところで、衝撃の現場に立ち会ってもらいます。
◆プログラムNo.2 『解体現場、目撃』
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時間:9:30~10:30
場所:鹿肉専門加工所「森の息吹」
〔内容〕
普段は立ち入ることのできないジビエ肉の加工現場を見学!!
野蛮?可哀そう?みんな毎日食べてる命です!
見たことも聞いたこともない設備や、職人による丁寧過ぎる加工過程は驚きの連続。
食育の視点でもきっと貴重な体験になるはず。
都合がつけば、地元猟師さんも同行。鳥獣被害の現状や、
猟で感じた身の危険、命との向き合い方などを聞かせてもらえるかも!
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余りにリアルな命の姿に帰りたくなる参加者も出てくるかもしれませんが、門を開けてしまったいま、もう戻れません。
解体された鹿は、姿を変えて人の世に降臨します。
◆プログラムNo.3 『剥いだ皮で作る、お札入れ』
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時間:10:30~11:30
場所:レザークラフト工房「Chopper-eel」
〔内容〕
「森の息吹」から仕入れている鹿革を使って、「名刺入れ」作りに挑戦!!
講師は地元で長年革細工をしている作家さん。
牛などのものと比べて鹿革はとても柔らかく、女性でも安心です☆
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素敵なお土産が出来ました。
ホラー好き仲間に、「この名刺入れが、名刺入れになる前の姿知ってる?」と書いたメモと一緒にプレゼントしてあげましょう。
◆プログラムNo.4 『命を喰う』
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時間:12:00~13:00
場所:「末廣亭」もしくは「TOMMY」
〔内容〕
待ちに待ったお昼ご飯!!
末廣亭の天然うなぎ丼、もしくは、トミーの鹿肉コロッケ定食を頂きます。
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腹が減っては肝も据わりません。
ついさっき見た「生き物だった頃」の姿に想いを馳せながら、絶品の山の幸に舌鼓を打ち、ツアー後半の恐怖体験に備えてもらいます。
◆プログラムNo.5 『ほんとうは危険な山遊び』
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時間:13:00~16:30
場所:滑床渓谷(雪輪の滝など)
〔内容〕
全長80メートルの天然スライダー!!
海外からもアウトドア好きが訪れる「滑床渓谷」でキャニオニング体験☆
プロのキャニオニング業者が入った今でこそ悲惨な事故は無くなりましたが、昔は違いました。
実際に起きた事故の話をきっちり聞いて飛び込みましょう!
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死が間近に感じられれば感じられるほど、生が際立ちます。
「死ぬかもしれない」と思いながら滑走し、無事滝つぼから立ち上がったとき、目の前に広がる渓谷の美しさは目に焼き付くことでしょう。
◆プログラムNo.7 『悪魔の取り分を呑む』
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時間:17:30~18:30
場所:パブリックバー「SOMKY」
〔内容〕
運動後はBarで一杯☆
ウィスキーは樽で熟成している間に、開けてもないのに減っちゃうの知ってました?
蒸発で減る分は「天使の取り分」と言い、
樽の中に染み込んでしまった分を「悪魔の取り分(デビルズカット)」と呼びます。
その「悪魔の取り分」を取り出してブレンドしたお酒「ジムビームデビルズカット」を体験!
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シャーマンは霊界と交信する為にまず酩酊します。
きたる夜の山場へ向けて、時空の歪にあるような本格Barでコンディションを整えてもらいます。
ちなみにこのBarのお隣は、来年創業100年を迎える老舗石材屋です。
かなりの頻度で仕事終わりの社長さんがここに現れるので、
「なぜ仏像型の墓石の首から上がよく飛ばされているか」など、墓場にまつわるソソるお話が聞けるかもしれません。
◆プログラムNo.8 『山の怪談、そして野宿』
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時間:19:30~21:30
場所:滑床渓谷内のキャンプ場
〔内容〕
BBQ城プレゼンツのグランピング体験☆
山にまつわる不思議な話、怪奇談を聞きながら焚火を囲みましょう!
そして山の夜がすっかり怖くなったところでテントで就寝。
翌朝、現地解散。
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いよいよクライマックスです。
日もとっぷり暮れ、木々のざわめきに紛れて聞こえてくる足音は昼間食べた獣の仲間か、それ以外の何かか、そこは人間が「よそ者」になる夜の山です。
ホストが用意したとびきりの「山の怪奇談」を聞きながらゴージャスな食事を楽しみ、最後は満点の星空を眺めながら、誰かが「トイレいこっかな」と言い出してくれるのを待ちながらおしっこを我慢します。
良質な緊張は、最高の緩和を生んでくれます。
翌朝、テントを開けて浴びる朝日は最高に心地よいことでしょう。
…生きて迎えられたらですが。
◆余談
どうだったでしょう。
叱られそうな箇所がありますが、実はこのツアー企画、先日開催された地域おこし協力隊の研修会の課題で制作・発表したものでした。
なので、とても真剣に作りました。
「現地に暮らす協力隊だから作れる観光ツアーを作ってみよう」的な趣旨のワークだったのですが、タイトルに使った怖い感じのフォントを最近手に入れたばかりだった僕は「そんなことよりこれが使いたくて仕方がない」状態でした。
だけど真剣に作りました。
タイトルページだけ作って一旦満足したあと、ふと、「確かに、ただ観光資源を羅列しただけのツアーって微妙だな。魅力的なツアーってなんだろう。」となり、そこからとても真剣に作りました。
僕はファンタジーが好きです。ホラーとファンタジーは双子みたいなものだと思ってます。
我が家をすすまみれにした犯人は今では子供たちの中で完全にまっくろくろすけになり、「まっくろくろすけおった!!いま!そこに!」と言うようになってます。
いろんな境界線が溶けて混ざったような地域は、魅力的だよなあと思うので、これからもせっせと嘘をついていきたいと思います。
ちなみに、上に紹介したツアープログラムは実際に僕がアテンドで(時期次第でほぼそのまま)実行できるものになっているので、面白がれそうな方いたらご用命ください。待ってます!
プログラムNo,2の「解体現場、目撃」に登場する加工所「森の息吹」について気になった方はこちらの記事も是非☝
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