モノにモノガタリを。端切れと好奇心が混ざり合う、自由な時間。
完成したばかりの壁。商店街の老夫婦から譲り受けたガラスケース。 歴史が刻まれた家具たちに囲まれた空間で始まったのは、レザークラフトの「試行錯誤」です。
今回のTT(トライタイム)が、普通のワークショップと決定的に違っていたのは、「学び方すら自由」だったことです。
多様な「先生」を連れてくる
テーブルを囲んだ参加者たちの手元には、思い思いの「教材」がありました。
iPadとYouTubeを相棒に: 動画を繰り返し再生しながら、指先の動きを予習・復習して挑む。現代のデジタルな自学自習スタイル。
お気に入りのキットや本を広げて: 使い慣れた道具や、ボロボロになるまで読み込んだ教本を持ち込み、自分のペースでじっくりと向き合う。
講師の代わりにそこにいたのは、自分自身の「やってみたい」という好奇心と、それを支える多様なツールたちでした。
接着、穴あけ、そして「無心」の手縫い
材料は、山のように積まれた革の端切れ。 参加者は、自分の感性に触れる色や風合いを宝探しのように選び出し、接着、穴あけ、手縫いへと進みます。
「コンッ、コンッ」 アジトの壁に響く、菱目打ちを打つ音。
ある人は動画のリズムに合わせて、ある人は本の図解を確かめながら。 最初は不慣れだった手つきも、ひと針、ひと針進むごとに、確実に革と対話する「職人の顔」へと変わっていきました。
完成したのは、不揃いな「自信」
数時間の時を経て、テーブルの上には個性豊かなキーホルダーやカードケースが並びました。 どれもが、誰かに強制されたデザインではなく、自分で悩み、選び、作り上げた作品です。
完璧な既製品とは違う、少し歪んだ縫い目や、選んだ端切れ特有のシボ感。 それこそが、自ら学び、工夫した証拠であり、世界に一つだけの価値になります。
「教わる」のではなく「自分から掴みに行く」。 そのもどかしさと喜びを分かち合えるのが、Fab Shed TTの醍醐味です。
2026年、ここがわたしたちの「実験場」
一人で没頭する時間もあれば、ふと顔を上げて隣の人の工夫を覗き込み、「それ、どうやってるんですか?」と会話が生まれる瞬間もある。 Fab Shed TTは、単なるものづくりの場ではなく、「学びの自立」を楽しむコミュニティとして動き出しました。
道具は少し。材料は少し。 けれど、ここには「自分でできる」という自信が、確実に積み重なっています。
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