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#09 闇に、最初の「光」が射した。天井づくりと、二種類の灯りの物語。

平日も進む、アジトへの歩み。

週末の賑わいから、バトンを受け取った平日のFab Shed。 静かな倉庫の中で、今日もコツコツと、首の痛くなる作業が続いています。

学生さんたちが組んでくれた美しい格子の隙間に、 ふわふわの断熱材を詰め込み、 その上から、白い天井板(ジプトーン)でフタをする。

「詰めて、張る。詰めて、張る。」 その地道な繰り返しの果てに、ついに、わたしたちのアジトに劇的な瞬間が訪れました。

スイッチ、オン。倉庫が「部屋」に変わった瞬間。

天井張りの作業と並行して進めていた、電気配線工事。 片側の列の天井板が張り終わり、そこにLED照明が取り付けられました。

「それじゃあ、点けるよ」

パチン。 その小さなスイッチ音と共に、倉庫の空気が一変しました。

『ついた!!』

頭上から降り注ぐ、まばゆいほどの白い光。 これまでは、投光器の頼りない明かりが頼りだった薄暗い空間が、一瞬にして、隅々まで見渡せる明るい「部屋」へと姿を変えたのです。

光に照らされた真新しい天井。 床に落ちる、くっきりとした影。 「ああ、本当に部屋になったんだな」 その光は、わたしたちのこれまでの労力を、優しく讃えてくれているようでした。

「集中」の光と、「安らぎ」の光。

実は、Fab Shedの照明計画には、ある「こだわり」があります。 今回点灯したのは、片側の列の「LED照明」。 これは、手元を明るく照らし、工作機械での作業に没頭するための、「ものづくり(Fab)」のための光です。

そして、これから工事が進むもう片方の列には、全く違う性格の照明が付く予定です。 それは、「ダウンライト」。 空間を柔らかく包み込む、「小屋(Shed)」としての安らぎの光です。

二つの光が、この場所の「リズム」をつくる。

パキッと明るいLEDの下で、真剣にものづくりに励む時間。 作業が一段落したら、ダウンライトの下へ移動して、コーヒー片手に仲間と語り合う時間。

「集中」と「安らぎ」。 この二種類の光が揃った時、Fab Shedは、オンとオフが心地よく同居する、最高のクリエイティブ空間になるはずです。

平日の作業は、まだまだ続きます。 次は、ダウンライトの列へ。 二つ目の光が灯るその時を、どうぞ楽しみにしていてください。

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