スタイリッシュな外観が目を引く、株式会社宇和島プロジェクト本社。
宇和海水産物の生産から加工・販売までを一手に担う、宇和島でも勢いのある企業です。
坂下津から現在の場所へ移ったのは2022年6月。
会社の成長に合わせて増え続ける社員が働きやすいようにと、3階建ての新社屋を建設。
船から魚を直接搬入し、加工・商品製造・出荷を実現する設備が整っています。
本社、第二加工場で働く従業員は約90名。同社の元には、国内はもとより、海外からも人が集まります。
『宇和海水産物の生産・加工・流通・販売の改革を起こす』ことを使命にひた走り、
世界へ打って出る宇和島プロジェクトの一体何が人を惹きつけるのか。
同社が手掛ける事業や今後の取り組みについて、たっぷりお話を伺ってきました!
企画課の仕事
お話を聞かせてくれたのは入社3年目の西島さん。
過去には青年海外協力隊の経験もあり、英語を話せるとあって、
海外からの来客対応や技能実習生への生活指導を行うなど、社内業務を幅広く担当しています。
西島さんは普段、どのようなお仕事をされていますか?
「養殖管理として生産者の方々とのやり取りや現場での手伝いを行ったり、
人事・労務も担当しているため、会社案内や加工場案内、メディア応対などを行っています」
「また、加工場内や出荷場の手伝いなど、その時々で必要とされる仕事に優先順位をつけて取り組んでいます」
なんと!1人でそんなにたくさんの業務を抱えているだなんて。
決まった仕事をするというよりも、クリエイティブに近い働き方な気がしますね。
「そうですね、”毎日決められた作業をする” みたいなことはありません。
いくつものプロジェクトが並行して進んでいるので、それらの状況を見ながら、今何をすべきか選択して動くことが多いです。
それなりに苦労もありますが、自分で考えて仕事をする充実感があります」
元は宇和島市の地域おこし協力隊として移住してきた西島さん。
「たまたま知り合った社長の人柄に惹かれて」と入社理由を聞かせてくれた表情は明るく、
ここには人を惹きつける魅力があるのだなとつくづく感じさせられます。
社員のアイデアが花開く現場
宇和島プロジェクトは2010年に設立され、地元水産物の加工・販売を軸に事業を展開してきました。
中でも『みかん魚』『チョコブリ』といったブランド魚の生産は注目を集め、
フード・アクション・ニッポンアワード農林水産業分野で最優秀賞を受賞するなど、他社とは一線を画す企画を次々と打ち出しています。
お客さんの目の前で巨大マグロを解体する『サバキ女子』もその一つ。
日本各地の企業や商業施設から依頼を受けて、一流の技術を身につけた女子スタッフ(通称「サバキ女子」)が、
30~60kgものマグロを丸々一匹、豆知識やクイズを交えながら華麗に捌きます。
「食の多様化が進む中、どうすればもっと日本の美味しい魚に興味を持ってもらえるだろうと考えていました。
そこで、まずは魚を身近に感じる機会を増やして、少しずつ関心を高めていこうと取り組んだのがはじまりです」
そう教えてくれたのは、サバキ女子として全国を飛び回る奥村さん。
最近ではアメリカにも活動の場を広げているそう。
「日本は安心・安全かつおいしい魚がたくさん食べられるのに、“魚離れ”が進むのは勿体ないですよね。
需要が下がれば市場も縮小していくし、このままでは日本の水産業が衰退してしまう、なんとかしなきゃ!と思って」
「初めてニューヨークで解体LIVEを行った際、ご来場いただいた方に
日本の、そして愛媛県産の養殖本マグロをはじめとする水産物の魅力を精一杯お伝えしたんです。
私たちのマグロがどのように育てられているかご紹介しながら、実際に見て、触れて、味わっていただいて。
海外の方は魚の生臭さに敏感と言いますし、ショーの前は多少の不安もあったんですけども、
試食された方に『今まで食べたマグロの中で一番美味しい!』と絶賛してもらえたのは嬉しかったです。
愛媛のマグロは世界市場でも十分に戦える!と実感する出来事でした」
言語も食文化も異なる土地で、自らの進路を開拓する先進的な試み。
お話を聞いている最中、“美味しいは世界共通“ というフレーズが頭に浮かんできました。
日本の魚が世界へ広まっていく背景には、きっとこういう愚直な活動が積み重なっているんだろうな。
宇和海水産物を世界へ
グローバルな取り組みは他にもあります。
北米を中心に現地訪問を行い、レストランのシェフに直接魚の評判を伺ったり新たな楽しみ方を提案したり、
世界を舞台に宇和海水産物をPR。
中でもみかんブリをはじめとする『フルーツフィッシュ』への関心は高く、
現地のお客様から「みかんブリは無いの?」と尋ねられるほど浸透してきています。
「ほんのり香るみかんの臭いが魚臭さを掻き消してくれて、初めて食べる方に好評みたいです。
海外には日本のように生魚を食べる習慣のない国も多く、そういった地域へも今後アプローチしていきたいですね」
「うちには東南アジア出身のスタッフもたくさんいるので、グローバルな展開にも活躍してくれるんじゃないかと期待しています」
お二人の話を聞いていると、なんだかこちらまでワクワクしてきます...!
”水産業” と聞いて思い浮かべる、魚の仕入れ・養殖・加工・販売…といった枠組みを超えた
新たな価値を創造する面白さを垣間見た気がします。
ボーダーレスに人が集まってくるのも納得です。
AIやIoTの先進技術を導入し、環境に配慮した持続可能な水産業へ舵を取る宇和島プロジェクト。
求める人材や会社の魅力についても伺いました。
「当社は生産から加工、流通、販売まで付加価値を生み出すバリューチェーンを確立しており、
多様なニーズに対応する新しいビジネスモデルの構築を得意としています。
毎年多くのプロジェクトが立ち上がり、一緒に働く方には、新規需要のコーディネイターとして活躍いただきたいです。
『こういうことをやりたい/こんな商品をつくってみたい』というアイデアがあれば、積極的に挑戦できます。
『北海道や沖縄に行きたい!』ということなら、自分でお客様を見つけて取引を進めることも可能です。
現場における裁量が大きく、20代や30代の若いメンバーも充実感を持って働いています。
年々高まる需要に対し、社内の効率化も進めています」
「自ら進んで仕事に取り組み、チャレンジを恐れず、向上心を持って働ける方を歓迎します!」
いい意味で “水産業っぽくない” 雰囲気にあふれる宇和島プロジェクト。
宇和島から世界へ、水産業の未来を切り拓いていく挑戦に胸が高鳴ります。
入力内容の確認×
内容をご確認の上「送信」を選択してください。
記事をクリップ
追加するグループを選択してください。